コア材質について(メタルでの違い) | フェライトとメタルについて
金属系のコイルは外観的な差異がほとんどないにもかかわらず、特性が大きく異なる場合があります。 これは成型方法が異なることが原因で、 前回は材質自体の違いにつて纏めましたが、今回は金属系コイルの成型方法による 違いを弊社製品を例に解説していきたいと思います。
上の三種類はそれぞれ成型方法が異なりますが、外見だけでは判別は困難です。
金属系の成型方法は主に3種に分けられます。 冷間成型が最も特性が悪く、Tコアが最も特性がよくなる傾向にあります。
| 成型方法 | 性能 | 採用品番 |
|---|---|---|
| 冷間成型 | 低 | XRK-B |
| 熱間成形 | 中 | XRK-D |
| Tコア | 高 | XRJ |
成型方法によって、コイルの構造が異なり以下のような構造になっています。
冷間・熱間成形品
冷間成型および熱間成形は空芯コイルに金属粉末を充填し、圧縮成型を行います。成型時の温度の高低で冷間・熱間に分けられます。
Tコア
Tコアと空芯コイルを組み合わせた状態から、空芯周りを金属粉末による圧縮成型を行われます。
成型方法の違いによる特性差を示す例として、XRK0730B、XRK0754D、XRJ0754の特性を比較すると以下のようになります。
※XRK0730Bはサイズ差があるため補正
低面積が広がった分をそのまま芯径に、製品高さが上がった分をDCRに付与。
| DCR | 体積 | Isat-30% | Irat40 | |
|---|---|---|---|---|
| XRK0730B-100M | 65 | 138.6 | 4.4 | 3.3 |
| XRK0730B補正 | 36.1 | 291.6 | 5.1 | 5.3 |
| XRK0754D-100M | 37.4 | 291.6 | 11.5 | 5.2 |
| XRJ0754-100M | 22 | 291.6 | 10 | 6.8 |
XRK-DはBの倍以上直流重畳が伸び、XRJはDよりも直流重畳は劣りますが、 それ以上にDCRがはるかに小さく、総合的には一番優れていることがわかります。
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