インダクタ カタログ記載値の電流特性について | コイルを使う人のためのお助け雑学
インダクタ カタログ記載値の電流特性について
コイルのカタログ記載値についてお困りになった事はありませんでしょうか。
コイルの電流特性は各社で設定する値が異なっている場合があります。
1 直流重畳許容電流 (Isat)
インダクタンスの低下率で設定。10%・15%・30%等、各社様々。
2 温度上昇許容電流 (Irat)
負荷をかけた際の自己発熱で設定。20℃・30℃・40℃等、各社様々。
さらにコイルの発熱量に関しては測定環境により大きく異なります。
弊社製品を例にして、使用基板によりどのくらい値が変わるのかを見ていきます。
品番 | インダクタンス(µH) | 直流抵抗(Ω)±30% | 直流重畳許容電流 (A) | 温度上昇許容電流 (A) | ||
---|---|---|---|---|---|---|
Max | Typical | Max | Typical | |||
CER1277C-2R2N | 2.2±30% | 0.007 | 17.7 | 11.6 | 9.6 | 6.85 |
注)上記の特性値は弊社測定データをもとに作成されたものです。特性値は代表値であり、規格値ではありません。
基板の種類によりインダクタの発熱特性が約1.3倍もの差がでます。
弊社はJIS規格を参考にした測定を行っておりますが、受け取り方によりどうとでもなってしまう部分がある事で、各社各様の測定条件になっています。
類似したDCRの実力値でもカタログスペックで不利な状況となり、苦い思いをすることがしばしばあります。
メタル素材のインダクタにおいては特に顕著になります。
上記は弊社で某メーカーインダクタを測定した結果となります。
弊社実測値とカタログ記載値で1.5倍の差があります!
まとめ
カタログ値で製品特性比較を実施する場合、DCR(抵抗値)規定値で比較する事により真の発熱特性比較する事ができます。
2製品間でDCRが近似値の際、温度上昇許容電流規定値が大きく優れている製品は、測定設備・環境の違いによる変動の可能性があります。DCRの実力値で比較をした方が良い製品選びが出来ると思います。
注意事項
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