第4回 | 結合について | コイルのネタ帳
第4回 結合について
最終回となる今回は結合の話です。トランスの場合、結合は強い方が良いのですが、インダクタの場合、周囲のインダクタとは結合しない方が良いです。
しかし、今回は結合させる/結合させないの1か0ではなく、その中間にて結合をアレンジすることをテーマとします。
結合の強さ
同じ磁路内に2つの巻線があると結合します。その強さをk(結合係数)で表します。
kは0から1の間で表されます。
結合していない時が0、結合が最も強い時が1となります。
(例)SQR1277C-560M k=0.997
実際の結合値
(1)閉磁路タイプ SQR1277C-560M 約56μH k=0.997 | |
(2)開磁路タイプ SQR1277C-121M(リングコア無し) 約56μH k=0.972 |
同じコアに巻線すると閉磁路であれば結合係数はほぼ1となり、 開磁路の場合には磁束が漏れる分、結合は少し弱くなります。
結合の計算
2つのコイルが結合していると相互インダクタンスMが発生します。 相互インダクタンスMは下図の様に表されます。
個々のインダクタンス値をL1、L2とすると トータルインダクタンスLは、L=L1+L2-2Mとなります。
結合の活用例
LCフィルターにトラップを作る
4次のLPFにてトラップはL3によって作りますが、 L1とL2の結合により発生するMで置き換えることもできます。
(1)と(2)は同じ特性になります。
結合をアレンジするには・・・
3枚つばのコアを使用する
結合をアレンジする方法の代表として、3枚つばのコアがあります。
この3枚つばを使用すると、結合を 0.023~0.968の間でアレンジできます。
他の方法も・・・
他にも結合をアレンジする方法はあります。・・・メガネコアを使う?など
これからもアイデア勝負といえるでしょう。
さいごに
コイルのネタ帳に最後までおつきあいいただきありがとうございました。
「為になる知識(ネタ)」は見つかりましたでしょうか。
「ネタ」についてはもっと磨かれたり、これから新たなネタが見つかるかもしれません。
その時にはまた皆様にご紹介させていただければと思います。
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