第3回 | 自己共振周波数について | コイルのネタ帳
第3回 自己共振周波数について
今回はインダクタの自己共振周波数について紹介します。SRF(Self Resonant Frequency)とも呼ばれます。
インダクタの周波数特性 理想と現実・・・
理想は「一定であること」ですが、
現実は「ストレー容量により自己共振が発生してしまう」
- 自己共振周波数=20.8MHz
- インダクタとしては自己共振より低い周波数で使わなければならない。
よって、自己共振周波数は高いほど良い。
インダクタの等価回路
インダクタの等価回路は図のようになります。
ストレー容量C1が小さいほど自己共振周波数は高くなります。
自己共振周波数Fcの計算
L1=10μH、C1=5.88pFだと Fc=20.8MHz
Fc=30MHzにしたい場合には、
C1=2.81pFにする必要がある。
ストレー容量を小さくするには・・・
高背から低背にする
低背のインダクタの方が巻線長が短くなりストレー容量が減る
- 高背 CER7052B-331M(H=5.5 max) L1=319μH C1=6.35pF Fc=3.54MHz
- 低背 CER7027B-331M(H=3.0 max) L2=318μH C1=2.66pF Fc=5.47MHz
平角線から丸線にする
平角線は巻線の面と面が重なるのでストレー容量が大きくなる
- 平角線 (検討用) L1=3.55μH C1=5.12pF Fc=37.3MHz
- 丸線 (検討用) L1=3.57μH C1=3.72pF Fc=43.7MHz
密巻からスペース巻にする
巻線間が離れるとストレー容量が減る
- 密巻 (検討用) L1=5.00μH C1=1.82pF Fc=52.8MHz
- スペース巻 (検討用) L1=5.10μH C1=1.62pF Fc=55.4MHz
二層巻から一層巻にする
巻始めと巻終わりは電位差が大きいので離した方がストレー容量が減る
- 二層巻 (検討用) L1=5.10μH C1=6.15pF Fc=29.5MHz
- 一層巻 (検討用) L1=5.00μH C1=1.82pF Fc=52.8MHz
単品から2個直列にする
直列接続するとストレー容量は半分になる
- 単品 (CER1065B-680M) L1=69.2μH C1=8.15pF Fc=6.70MHz
- 2個直列 (CER1065B-330M) L1=69.3μH C1=3.23pF Fc=10.6MHz
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